こんにちは、アメリカ駐在タイムスです。
今日はアメリカ駐在、アメリカでの仕事を通じて学んだビジネスにおける減点主義と加点主義について考えてみました。
この記事では以下のような方々の参考になれば幸いです。
- 今後アメリカで仕事をする予定の方
- 日本とアメリカのビジネス時の考え方・捉え方の違いを理解したい方
- 日本企業の経営思考を見直したい方
- アメリカへ事業拡大をしたい方
それでは早速見ていきましょう。
アメリカ駐在員の心得
アメリカへ駐在員として赴任される方はほとんどが、Manager職以上の職位で駐在されていると思います。
つまり、ほとんどの方が部下にアメリカ人がいると思います。
アメリカ人の部下を持った時に気を付けるべきこと、注意することというのはたくさんありますが、
その中でも重要なポイントだと私が思っているのが、「減点主義と加点主義の違い」についてです。
基本的に日本企業というのは、減点主義です。もっというと日本企業というのは減点主義の象徴のようなものだと私は思っています。
一方、アメリカ人は基本子供のころから加点主義をベースに教育を受けてきています。
このギャップを理解しないまま、アメリカ人部下に接するとお互いストレスが溜まります。
では早速、具体的に見ていきましょう。
日本の商習慣・文化を十分な説明もなくアメリカ人に押し付けようとする日本人は最も悪いパターンです。みなさん、気を付けましょう。
アメリカは訴訟大国です。乱暴な対応しますとパワハラや不当な扱いを受けたとして訴えられる可能性もあります。
減点主義について
さて、では減点主義とはどのようなものか見ていきましょう。
例えば、仕事で100点満点中、70点のパフォーマンスを発揮したとしましょう。
この際、減点主義の上司は「なぜ、あと30点取れなかったんだ?30点取れなかった原因を突き止めて改善しなさい」
といいます。
要は、70点取れたところ(強み)を伸ばすのではなく、できなかったところ(弱み)を改善しなさい、という考えになります。
ですので、減点主義の組織・人間が部下の人事評価をする際にはどうしても、できなかったところ(弱み)に焦点がいき、「君はこれができなかったから人事評価はこれだ」というような思考プロセスになります。
日本の教育システムを考えて頂ければイメージできるかと思います。日本では強みを伸ばす、というよりは弱みを克服することに力を入れる傾向にあります。
ですので、多少の差はあれば、日本国民は大体全員が横並び(「出る杭」というものがあまりない)というのが現実です。
こちらは皆さん、ご存じの通り、所謂、「同調圧力」です。日本人は周りと違ったことをするというのを嫌います。
加点主義について
では、続いて加点主義を見てみましょう。
減点主義が弱みに焦点が行ってしまうのに対し、加点主義は強みに焦点が行きます。
例えば、仕事で100点満点中70点のパフォーマンスをした場合、70点を褒められ、この70点のパフォーマンスの部分を今後もどんどん伸ばしていこう!というもので、取れなかった30点には焦点がいきません。
得点で例えるとわかりにくく、且つ、日本人からすると「でも取れなかった30点の部分を克服しないといつまでたっても70点のままじゃん」という発想になりますが、加点主義のアメリカ人はそうは考えません。
この強みである、70点の部分をガンガン伸ばしていけば、100点にも120点にもなると考えています。
アメリカ人部下との衝突
上記のように考え方の違いが、日本人駐在員(日本企業)とアメリカ人ではありますので、日々のやり取りでも、アメリカ人は加点主義という点は念頭に置く必要があります。
例えば、1つの方法として、ミスを指摘して、今後改めてほしい場合でもまず最初にその部下ができている部分を褒める。そしてそのあと、できていない部分を「今度からここの部分をこういうやり方にするといいと思うんだ」というように責めるのではなく、一緒によりより方向に導く姿勢を貫いた方がいいです。
いまだに昭和時代の感覚のまま、部下を他の社員の前で怒鳴る上司などが日本にいますが、こういう人は一発アウトです。アメリカ人部下であれば喧嘩になりますし、最悪は訴訟問題になります。(結構簡単に訴訟問題起きます)
私も駐在中、別の部署で解雇された米国人社員が「不当に解雇された!」として裁判所から訴状が届きました。
こういうことが簡単に置きますので、本当に気を付けた方がいいです。
イライラしても決して怒鳴ったりしてはいけません。ましてや、人前で怒鳴るなど論外です。人によっては訴訟問題に発展します。
上記のアメリカ人の考えを理解したうえで、要望があるのであればそれを伝えればいいですが、アメリカ人部下が「よくできた点」は褒めてあげるべきです。
余談
ちなみに、よく「アメリカで働くときはセクハラ・パワハラ発言は気を付けた方がいい」という人がいます。
これは事実ですが、本来、日本でもセクハラ・パワハラ発言はNGです。
日本は文化的背景なのか社会構造の問題なのか、泣き寝入りするケースが多いため、いまだにこのようなセクハラ・パワハラ発言をする時代錯誤をした上司がウヨウヨしているのが残念でなりません。
この記事がアメリカで今後お仕事をされる方のお役に立てれば幸いです。